私たちが毎日当たり前のように使っているタオルは、一体いつ、どこで誕生したのでしょう?
今回は、タオルの歴史を少しだけ紐解いてみたいと思います。
■タオルの語源と起源
・タオルの語源は?
タオルという言葉の語源は、スペイン語の「トアーリャ(Toalla)」か、フランス語の「ティレール(Tirer)」ではないかと言われています。元々「浴布」という意味ですが、今ではテリー織り(布面にパイルを持つ織物のこと)のことをタオルと呼んでいます。
・タオルの起源は?
タオルの起源は諸説ありますが、スイス湖畔にある旧石器時代の住居から、毛や木の内側の皮や亜麻などで織った織物が発見されています。当時の人々が手や体を拭うために使っていた、タオルの原型ではないかと言われています。そんな古い時代から、すでに「タオルのようなもの」があったことには驚きですが、やはり当時の日常生活においても、私たちと同じように手を拭いたり、体を拭うことは必要不可欠だったということでしょう。
他の時代を見ていくと、紀元前2,000年前後の古代エジプトの墳墓からは、リネン(麻)テリーのような織物が発見されています。また、入浴の習慣が盛んだった古代ローマのカラカラ浴場や、トルコの沐浴場においても、バスタオルのようなものが使われていたとされています。とある映画でも大変に話題になったローマの浴場ですが、彼らもタオルを使っていたと思うと、なんだか親近感がわいてきますね。
■タオル産業のはじまり
・ターキッシュタオルとの出会い
タオルの製造に必要なテリーモーションと呼ばれる原理は、1,811年頃にフランスで考案されたようです。当時使われた素材は絹糸で、綿糸は1848年に初めて使われました。
1,850年代、イギリス人ヘンリー・クリスティーがトルコを訪れた際に、手工芸品として作られていたある織物の良質さに目を留めました。それは、経(たて)糸と緯(よこ)糸で織られた布に、別の経(たて)糸がパイルとして差し込まれた織物で、ターキッシュタオルというものでした。彼は、それを母国に持ち帰ってサミュエル・ホルトに相談したところ、大変に興味を持ち、手織りの織機で試織を重ねた末に、現在のようなループパイルを持つタオルが生産されるようになりました。それらはやがて工業化され、ホルトはアメリカに渡ってタオル会社を設立します。こうして、ヨーロッパやアメリカを中心にタオルが生産されるようになったのです。
いかがでしたか?
今や、家庭に一枚は必ずあると言っていいほど、私たちの暮らしに浸透しているタオル。その歴史は驚くほど古く、今日まで世界の各地で多くの人々に活用されてきたことが分かりました。皆さんも、お風呂上りやお手洗いでタオルを使う時、その薄くてフワフワな見た目からは想像もできない(かもしれない)、タオルの壮大な歴史に少しだけ思いを馳せてみてくださいね。
壮大な歴史に思いを馳せるなら。極上今治タオル「ボーテ」に包まれて至福のときを