洗面台やキッチン、もしくはお風呂場で毎日お世話になるタオルたち。同じ大きさのタオルでも、贈答用として大切に箱に詰められたものから、ディスカウントショップで売られているものまで、驚くほどの種類があります。単純に考えると、「高いタオル=良いタオル」という図式が成り立ちそうですが、果たしてそうでしょうか?
今回は、そんなタオルのクオリティと価格の関係について、紐解いてみたいと思います。
■タオルのクオリティは材料で変わる
タオルの材料と言われて思い浮かべるものは、やはり綿(コットン)でしょう。綿はアメリカ、インド、エジプト、中国、パキスタン、ウズベキスタンなど、世界中で生産されていて多くの種類があります。希少性によってランクがあり、希少性が高いものほど値段が高くなります。材料が上質な綿糸(綿からできた糸)であれば、高価ではありますが吸水性に優れていて肌触りが良く、機能的にも優れたタオルが出来上がります。
しかし、高価であればあるほど吸水性が優れているとか、乾きが早いというわけでもありません。また、タオルの単位である匁(もんめ)に表されるような厚みや重さが多いほど、良いタオルというわけでもありません。温泉用のタオルなどはわざと薄く作られていることからも分かるように、用途に応じて、適した厚みや重さがあるからです。タオルに求めたい機能は人それぞれ違いますし、何をもって「良いタオル」とするかでも変わります。ちょっと難しいかもしれませんが、自分の好みのタオルを探す時には、ひとまず「タオルのクオリティは材料によって変わる」ということを覚えておくと良いでしょう。
■なぜ高価?なぜ安価?タオルの価格には理由がある
今治タオルのように、タオルブランドとしてのクオリティを保つため、独自の厳しい審査基準を設けているタオルは、その信頼性と品質の良さから比較的高価になってきます。また、贈答用などでよく目にする高級アパレルブランドのタオルは、ブランドという付加価値によって高価になる傾向があります。いずれにしても、信頼できるブランドであり、安定したクオリティが保たれていることが確かなタオルは価格が高い、ということが言えるでしょう。
また、生地に特殊な加工を施したもの、特殊な方法で製造されたもの、素材に特殊な成分を練りこんだものなどは、加工や開発にかかる費用、素材の費用などが価格に反映さるため、高価になることがあります。
反対に、タオルが安価である理由には、前述のように材料に由来する場合もありますが、その他にも、大量生産で生産コストが抑えられたために安価になった、メーカーが卸業者を通さずに直接販売しているから安価になったという場合などがあります。この場合は、製造方法、販売方法の工夫で価格を抑えたわけですから、同じようなタオルと比較して安価であっても、タオルそのもののクオリティが下がったわけではありません。目が飛び出るほど高価なタオルも、息を飲むほど安価なタオルも、その価格になった何かしらの理由というものがあるのです。
いかがでしたか?
安価であっても、素材や製法にこだわったクオリティの高いタオル、機能を兼ね備えたタオルは沢山ありますから、一概に価格だけでタオルの良し悪しを判断することはできません。大切なのは、「そのタオルがなぜその価格なのか」という理由を知り、納得してタオルを選ぶこと。今回ご紹介した価格とその理由を頭の片隅に置きながら、ぜひ自分にぴったりの一枚を選んでみてくださいね。