タオル選びに役立つ!タオルの品質基準・検査方法にまつわる専門用語

タオルの品質を語る時に必ずと言っていいほど登場するのが、品質基準や検査方法にまつわる専門用語です。難しい言葉が多いですが、知っておくと、タオルを自分で選ぶ時に役立ちますし、実際に、商品説明や製品タグなどでその用語を目にした時に「これがあの、厳しい検査をパスした商品なのね・・・!」と感慨もひとしおですよ。というわけで、今回はタオルの品質を語る時によく使われる用語をいくつかご紹介いたします。

 

運針数

運針数とは、3cmの間にミシン目がいくつあるかを表した数値のことです。運針が細かい(多い)ほど、縫製に時間がかかります。縫い目が目立つ洋服の場合は、運針の数でその製品の高級感が左右される場合があります。タオルの場合は、目が埋もれることが多いため、見た目では分かりにくいかもしれませんが、基準となる数値が定められています。一般的なタオルの基準では「5cm間に14針以上」、今治タオルの場合は「1吋間10針以上(1枚毎の返し縫い)」です。※1吋は1インチのこと(約2.54cm)

 

沈降法

沈降法は、タオルの吸水性検査の方法の一つで最もポピュラーな方法です。サンプルタオルから、タテヨコ10mmの試験片を切り取り、水温20℃(±2℃)に、表面を下向きにして浮かべ、水中に沈降し始めるまでの時間を計測します。ちなみに、一般的なタオルは60秒ほどだそうですが、今治タオルは5秒、泉州こだわりタオルは3秒を品質基準としています。

 

堅牢度

堅牢度は染色堅牢度ともいい、タオルを染色した場合の染料が、洗濯時や摩擦によってどのくらい色落ち・色移りするのかを既定の試験方法(JIS規格によるもの)で試験を行い数値化したものです。5級が最も良好で、1級に近いほど色落ちがひどくなります。耐光、洗濯、汗、摩擦の項目があります。一般(財)日本タオル検査協会の基準では、おおむね4級以上を評価基準としています。(汗項目の汚染は3-4級以上、摩擦項目の湿潤は2-3級以上)

 

 

5秒ルール

5秒ルールとは、四国タオル工業組合が製造した「今治タオル」に定められた独自の品質基準の一つで、既定の検査 (JIS-L1907(C法) /沈降法) で5秒以内に沈むものであることを端的に表した言葉です。優れた吸水性が最大の特長でもある今治タオルの代名詞ともなっています。

 

水分率

ここでいう水分率とは、主に使用されている糸とそれを使用した織物に用いられる用語のことを言います。タオルになる前の繊維そのものも、実は大気中の水分を吸収しているため、繊維ごとに基準となる水分率が定められています。繊維の原料や糸は、重さによって取引されることが多く、同じ繊維なのに水分量にばらつきがあると公正な取引が行えません。そのため、このような基準が定められているのです。合成繊維(ポリエステルなど)の水分は低く、天然繊維(綿など)は高いものが多いようです。

 

脱毛率

脱毛率とは簡単に言うと、「タオルの毛羽落ち」の割合のこと。検査するタオルの重さを量り、既定の方法で洗濯した後に、抜け落ちた毛羽を全て回収して乾かし、重量を量って数値を出します。例えば、600gタオルを洗濯して回収された毛羽が0.6gだった場合、脱毛率は0.1%(0.6÷600×100)となります。

 

 

独自品質基準

タオル産地やタオルを製造している企業、卸業者などが、その製品の品質を証明する意味合いで定めた独自の品質基準のことJIS規格をベースにして、その団体の考え方が反映された品質基準になっていることが多いようです。多くの団体がそのような基準を定めていますが、全てが公開されているわけではなく、社内外でタオル製造の際に役立てられているもののようです。四国タオル工業組合が定めた「今治タオル」の独自の品質基準のように、ブランド力を高めるために開示されているものもあります。

 

日本タオル検査協会

正式名称は、一般財団法人日本タオル検査協会で、タオルの試験検査機関のことです。タオル製品をはじめとした繊維製品の検査や証明を行っています。JIS規格はもちろん、企業の社内規格、外国規格など、指定された試験方法によって品質・性能試験を行い、その証明を行っています。タオル製品などのエコマーク認定や、クレーム品の事故原因の分析鑑定や証明など、検査・認定にまつわる業務を幅広く行っています。

 

今治タオル×マツイタオル、ブランド別タオル比較