だからいつも気持ちよい!様々な業界で使われるタオルの回収・洗濯方法

私達の生活に欠かせないタオル。家で使うだけでなく、飲食店やホテル、美容院など、あらゆるお店で大量に使われているのはご存知かと思います。そんなお店のタオルたちは、いつも清潔で気持ちよく使えるものばかりですが、一体、どこで洗われてどんなサイクルで使われているのでしょうか?今回は、そんな疑問にお答えするべく、様々な業界で使用しているタオルの回収方法や洗濯方法についてご紹介してみます。

 

■レストランや居酒屋などの飲食業界で使われるタオルについて

飲食業界で使われるタオルと言えば、何といってもおしぼりタオルでしょう。席に着くと、お冷と一緒に出てくる、あの正方形のタオルです。最近は使い捨ての紙おしぼりを出すところが多いですが、布製のしっかりとした拭き心地は、やはり心地が良いものです。布おしぼりの多くは、「貸しおしぼり」とも言われ、専門の業者が飲食店などに貸し出し、厚生労働省の「おしぼりの衛生的処理に関する指導基準(環指157号)」に基づいて洗浄をはじめとする管理を行っています。簡単に説明すると、以下のようなサイクルでおしぼりはお店と業者を回っています。

 

 

1.飲食店で使用される

布おしぼり専用の機械で冬には温めて、夏には冷やして出されることも。

使用済みの布おしぼりは袋や専用の入れ物に入れて回収日までまとめ保管されます。

2.専門業者が引き取り・分別

専門業者が使用済みの布おしぼりを回収し、再利用できるものとそうでないものに分別します。

3.洗濯、消毒・殺菌など

再利用できるものは専用の大型洗濯機で、予洗い、本洗い、消毒・殺菌、すすぎなど、十数回ほど洗いにかけます。

4.脱水・ほぐし

圧縮をかけるなどして脱水した後、塊になった布おしぼりをほぐします。

5.検品・包装

洗い上がった布おしぼりに汚れがないかなど検品し、包装していきます。金属探知機などを使用することもあります。

6.出荷・配送

専用の入れ物などに詰め、契約している飲食店などへ配送します。

 

このような工程を繰り返す布おしぼりの寿命は、使用回数が平均して25回ほどだそう。洗っても落ちない汚れが付いたものはおしぼりとしては使用できなくなりますが、使い捨ての「ウェス」として再利用されることも。最後の最後まで「拭く」役目を全うする姿に感動すら覚えますね。

 

■温泉旅館やリゾートホテルなどのホテル業界で使われるタオルについて

温泉旅館やホテルなどの部屋に必ず用意されているタオルたち。海外のリゾートホテルでは、ゾウや白鳥といった動物の形に変身したタオルがお出迎えしてくれるところもあるようです。これらのタオルたちは、使用後はハウスキーパー、リネンスタッフと言われる人が交換してくれるわけですが、回収されたタオルたちは専門の業者で洗いをかけられます。バスタオルなどは、おしぼりの何倍もの大きさになりますが、工程はだいたい同じです。ホテルのバスタオルは、繰り返しの洗いに耐えられるようにいとも密度が高く、しっかりとした作りになっていますが、それでも、30回ほど洗濯をしたら寿命だそうです。体を拭くことに関しては問題ないように思えますが、使う人の心地良さを考えてのことかも知れませんね。

 

 

■エステサロンや美容院など美容業界で使われるタオルについて

エステサロンや美容院などでも、タオルは大量に使用されています。理髪店の前を通ると、タオル干しにタオルが沢山干されているのを目にすることはありませんか?美容院や理髪店では、使用したタオルを自分のお店で洗濯することがほとんどです。タオルのサイズは、一般的なフェイスタオルほどの大きさ。とにかく大量にある、という印象ですね。カラーリングやパーマに使用するタオルは薬液が付きやすいので濃い色のタオル、首に巻くのは薄い色のタオルなど、洗濯しやすいように色分けしているお店が多く、それらを乾かしては畳み、という作業を絶えず繰り返しているそうです。

 

 

一方、エステサロンでは、マッサージ用のオイルを使用するため、普通の汚れとは洗い方が少し異なるとか。使用したタオルを自分たちで洗う場合は、油汚れに強い台所用洗剤で予洗いをしから、専用の洗剤で洗濯するというのが一般的なようです。

どの業界で使うタオルも、私たちがいつでも気持ちよく使えるように、さまざまな工夫がされていることに驚かれたのではないでしょうか。ランチで立ち寄った飲食店や、旅先のホテル、美容院やエステサロンでタオルを使う時などは、ぜひ今回のご紹介したことを思い出しながら、気持ちの良いタオルを堪能してみてくださいね。

 

自宅で使いやすい速乾タオル、プラージュ(plage)